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2008年03月03日
"Le Couple"藤田恵美さんのトークショー&ミニライブに行ってきました(A&Vフェスタ2008)その2
『"Le Couple"藤田恵美さんのトークショー&ミニライブに行ってきました(A&Vフェスタ2008)その1』の続きです。
はい、ここまでで紙幅が尽きてしまいました・・・というわけではないのですが(ネットですから続けようと思えばいくらでも(^_^;;)、もともとトークショー&ミニライブの感想を書くつもりで書き始めてますので、アルバム制作秘話のすべて紹介するわけにはいきません。
というわけで、前のエントリに挙げた記事も含めて、いくつかの記事をご紹介するに留めておきます。
実におもしろいアルバム制作秘話
実は、トークショーの中身もこれらの記事やかないまるさんのホームページの中身に則したもので、それらを読んでいた人間にとってはそれほど新奇性のある内容ではなかったんです。いや、その中身をさらに掘り下げて話していただいたので(たとえば、恵美さんの声のレベルを0.05dB刻みで調整したとか)十分面白かったことは面白かったですけどね。
林さんが紹介したいきさつなどについては記事にあまり出ていなかったので、その辺の話は特に興味深かったですね。
さて、まずは先に挙げた AV Watch の記事ですが、
- 第298回:「かないまるルーム」で生まれる究極のSACDとは? ~ その1: Le Couple藤田さん「CDで削ぎ落ちていたもの」 ~
- 第300回:「かないまるルーム」で生まれる究極のSACDとは? ~ その2: SACDマルチのミキシング作業の実際 ~
- 第303回:「かないまるルーム」で生まれる究極のSACDとは? ~ その3: 金井氏「ミキシングからプレスまで監修」の秘話 ~
- 第305回:「かないまるルーム」で生まれる究極のSACDとは ~ その4: SACDの能力をフル活用したアルバムの完成まで ~
という4回。
とても充実した内容です。
すべての記事がオーディオファン(オーディオマニアと言いたいところですけど、“端くれ”にもひっかかりそうもないので(^^ゞ)、音楽ファンとしては目茶苦茶面白くて何度も読み返したのですが、一番おもしろかったのは制作ノウハウのことじゃなく、次の一節。
藤本:プロとして長い経験を持っているエンジニアが、自分の知識、常識を覆されるだけで嫌悪感を持ってしまう人がほとんどだと思いますが、そう割り切ってしまうこと自体もすごいですよね。阿部さんはもともと金井さんをご存知だったんですか?
阿部:いいえ、まったく。恵美さんの事務所の関本さんから、ソニーの視聴室に来てほしいといわれ、伺ったところで初めて金井さんにお会いしました。そこで音を聴いて愕然としました。本当に良い音がするんです。オーディオの民生機を作っている人たちは、とにかく音をよくしようとがんばっているのに、制作側は今まで何をやってきたんだろうって。音が良すぎて分からないとか、音よりレベルとか、普通に音を犠牲にして作られていきます。とてもギャップを感じました。
この阿部さんというのは、このアルバムのミキシングの実作業を担当したレコーディングエンジニアの阿部哲也氏(STRIP inc 所属)という方です。
藤本さんの疑問が、この連載を読んでいた時のまさに僕の疑問でもありました。同時に、この阿部さんの柔軟な姿勢に感銘を受けたのです。
なかなかできることではありませんよね。プライドがあればあるほど、経験があればあるほど、他人のやり方がいい、他人の聴いてるものの方が音がいい、とは認められません。
とにかく、この連載を読んでとても感銘を受けたのが、阿部さんや金井さんもそうですが、携わった方々の仕事に関する真摯でかつ柔軟な姿勢・取り組み方です。
仕事というのは、やるならこうあるべき、と思わせられたりしました。
オーディオ・音楽とは関係ない話になってしまいましたが、まあ、僕が一つ一つ抜き出して説明しても仕方ないので、その辺の“凄い仕事ぶり”に関しては、ぜひ上記連載記事をお読みください。僕も、偉そうに書いてますけど、門外漢なのでわからないことが多々あるのですが、わからないなりにすごく感銘を受けたのは事実です。
かないまるさんのページでも
これを受けてというか、かないまるさんのホームページにも、さすが技術者ならではと思わせる詳細な解説がなされています。
余談というか直接中身に関係はないんですが、ここのページ、全体に“フレーム”が使われているので、各ページの紹介がしにくいんですね(^_^;;
大変申し訳ないのですが、各ページをバラして紹介させていただきます。
#作り直してもらえないものかなぁ(汗・・・まあ、金井さんの本職じゃないからなぁ(^^ゞ
- カモミールリミックスプロジェクト「藤田恵美 カモミール・ベストマルチチャンネル・リミックス・プロジェクト はじめに」
- カモミールリミックスプロジェクト「プロサウンド誌の(昔の)取材」
- 片々雑事「編集の様子」
- カモミールリミックスプロジェクト「SONOMA システムの解説」
- カモミールリミックスプロジェクト「レコーディングエンジニア、阿部さんの個人スタジオ「capa3」のご紹介」
- カモミールリミックスプロジェクト「かないまる邸のサテライトシステム(小型スピーカによる音質確認)」
- 片々雑事「SONOMA吸い上げ時のモニター音量」
- 片々雑事「レベル関係のメモ」
- カモミールリミックスプロジェクト「プロジェクトが完了いたしました」
- 片々雑事「2008年2月24日 (日曜日)A&Vフェスタで恵美さんと一緒に camomile Best Audio を聴くイベントをやります かないまるも登場。恵美さんのミニライブもあります」
- 片々雑事「A&Vフェスタ2008 camomile Best Audio 試聴会と恵美さんのミニライブ 結果報告」
この記事群は、さすが現役バリバリの技術者の方のページだけあって、上の AV Watch の記事以上に細かい説明がなされていて、理解できないことも多々ありました。しかし、こちらもまた実際に作業に関わった“迫力”のようなものが、淡々とした中に感じられる素晴らしい記事です。
AV Watch の記事と併せて読んでいただけば、とても面白く読めるのではないでしょうか。
実は、この件とはまったくの別件で、昨年(2007年)の12月頃にかないまるさんとメールでやり取りさせていただいたことがあります。
とても多忙な金井氏なのですが、そのときはちょうどお時間があったということで、僕の稚拙な質問に対し、実に懇切丁寧に親身なお返事をいただいて感激しました。
その時のメールでも感じたのですが、彼は、当たり前といえば当たり前なのでしょうが、超実践派とでも言えばいいでしょうか、すべて自分の耳で確かめていいものはいい、悪いものは悪い、と判断する方なのでしょう。
そのときのやり取りでも、電源系に関する“頑ななオーディオマニアが陥りそうなある常識”をハッキリ否定されていて、とてもビックリしたことをよく憶えています。
この記事の中にも、そうした“目からウロコ”のようなノウハウが披瀝されているのですが、たとえばこれなどそのひとつ。
SONOMAでの吸い上げ時に、スピーカの音圧をかけた方がいいこと。最適値があるだろうことが予想されたので、吸い上げに先立ち実際に実験しました。
その結果、制作時に近い音圧をかけておくのが結果が良好でした。このようなアプローチは阿部さんも井上さんも聞いたことがないそうなので、たぶん業界初なので書いておきましょう。
まず、振動はすべからく妨害とみなされることがよくあります。そういう観点からは、吸い上げは無音で行うのがよいことになります。
しかし、かないまるの経験では、録音をするときは現場の音が機器にかかっていた方が音が生き生きすることが多いものです。これはカセットテープデッキの音質チューンをお手伝いしたときや、PCMレコーダーを自分で使ったときに何度も経験しています。そもそもオーディオ機器のチューニングは、全て音圧がかかった状態でやりますから、それは当然とも言えます。
そう、オーディオでは“余計な振動はすべて悪”と見なしますからね、普通。音圧をかけた方が音がいいか悪いかなんて、そもそも考えもしません。「悪いに決まってます」。ちょっとオーディオをかじった人なら皆、異口同音にそう言うでしょう。
このページのそのあとの記述には、かける音圧を1dB刻みで変えて一番音がいいポイントを探したという趣旨の話が出てきますし、前にちょっと書きましたが、ボーカルのレベルに至っては、企画した雑誌『オーディオアクセサリー誌・analog誌(音元出版)』のサイト『AV&ホームシアター Phile-web』に掲載されたイベントのレポートから引用すると
また金井氏は「藤田さんのボーカルは0.1~0.05dB単位で調整し、他の楽器と調和するようにミックスを進めた」と、繊細な藤田さんのボーカルのニュアンスさを消さないミックスの秘訣についても付け加えた。
ということで、なんと最小0.05dB刻みという細やかさ。驚くばかりです。
いずれにしろ、このアルバムの制作がどれほど神経を使って行われたかが、以上ふたつのサイトの記事をご覧いただくとよくわかると思います。
続きは以下へ。
やっと、イベント自体の感想です(汗
●"Le Couple"藤田恵美さんのトークショー&ミニライブに行ってきました(A&Vフェスタ2008)その3
投稿者 Shin : 2008年03月03日 02:01
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