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2004年11月30日
なんと驚天動地! 「HD DVD」ハリウッド4社の支持を獲得!
実はこのニュースは昨日すでにネットニュースで聞いてはいたのですが、単なる「研究会参加」レベルの支持表明、くらいに考えていました。しかし、けさの朝日新聞を見て驚きました。本当に、“彼ら”は“やる”らしいのですね。甘かった!
ということで、東芝のプレーヤー・レコーダー発売(2005年末予定)に前後して、上記4社は HD DVD の映画ソフトを発売するということのようです。株式会社東芝は28日、同社やNEC、メモリーテック、三洋電機などと協力して推進している次世代DVD「HD DVD」のパートナ企業として、ParamountやWarner Brosなどのハリウッド大手スタジオ4社から支持を得たと発表した。
ちなみに4社とは、
- Warner Bros. Studios(23.1%)
- Universal Pictures(13.3%)
- Paramount Pictures(8.2%)
- New Line Cinema(Warner Bros. に含まれる)
VHSとベータの争いや、Microsoft と Apple のそれを例に出すまでもなく、技術的に劣るものが市場を制覇してしまうということは、実はよくあることです。まさしく“悪貨が良貨を駆逐する”というのはある意味当たっているのです。
#えっと・・・VHS を悪貨というのは言い過ぎですけどね(^_^;; 言葉の綾と言うことで。
#えっと・・・ふたつめの例えは正しいです。絶対に。誰がなんと言おうと訂正しません(爆)。あ、言うまでもなく悪貨は前者ですよ(笑)。
いやもちろん、ソフト(ROMディスク)の製造コストが“いまのところ” HD DVD の方が安い、という一点“だけ”は HD DVD の方が Blu-ray Disc より優れているのですが、そのほかは技術的視点に立つとすべて同等か、Blu-ray Disc の方が圧倒的に有利、というのは衆目の(除・東芝・NEC 関係者)一致するところです。
容量はそんなに重要ではない?
特に問題なのが HD DVD の方が現状の DVD からのスムースでシームレスな移行を図るあまり、容量で Blu-ray Disc に劣っていることです。Blu-ray Disc が一層 27GB(ギガバイト)なのに対し、HD DVD は 15GB です。ちなみに現行 DVD は4.7GB。
東芝側は「そんなにあってどうするんだ」と言いますが、こと容量に関しては多すぎると言うことはないというのが僕の考えです。
東芝の言い分は、あくまでも技術的に Blu-ray Disc ほどの容量を確保できなかったことをごまかす“負け犬の遠吠え”でしかありません。多ければ多いほど、画質や音質へ振り向ける、特典映像などのサブコンテンツを増やす、などさまざまな使い道が考えられるわけです。「使えないほどの容量」なんていう言いぐさは、コンテンツを作る側のことをまったく考えない狭量な考え方でしかありません。コンテンツ制作者からすれば、「あんたがた(メーカー)に決められたかぁねぇよ」(笑)というところでしょう。
Blu-ray Disc ではソニーが8層化して200GBに大幅増量するという技術を発表していますが、これについて HD DVD 陣営である NEC の幹部が「そんな化け物のような容量が果たして家庭用に必要か」と述べたと伝えられています。たしかに現時点ではそうかもしれません。しかし、たとえばハイビジョンのさらに進化した姿として、「水平約4000画素×垂直約2000画素」といった超高精細映像のものなどがすでに研究されはじめています。こうしたものがすぐにも実用化になるかもしれない時代です。技術屋が自ら制限を設けてどうしようというのでしょうか?
●NHK放送技術研究所「立体映像と広視野映像の研究動向」
このチャンスをのがすな
とにかく、今回のように規格がガラッと変わる機会は、またとないまさに千載一遇のチャンスなのです。どんな些細なことでも、できるだけ高い要求値をクリアできるようにしなければならない、というのが僕の意見ですし、たぶん Blu-ray Disc 関係者の一致するところでしょう。いや、おそらく東芝の人たちも内心はそう思っているのに違いありません。世界中の技術者たちがよってたかってどんなにがんばっても15GBしか実現できなかったというならともかく、すでに一方に倍近い容量を実現した技術があるのですから。なぜそれを採用しないと言うのでしょう。
なにより僕は、「そんなにあってどうするんだ」というような“志の低い”考えが大っきらいです。少なくとも技術者のあるべき姿ではないと考えます。
東芝はことあるごとに、「DVD 規格の正当な後継として・・・」というようなことを言い、DVD からの移行の容易さをメリットに上げます。DVD Forum という、DVD 標準団体が承認したということを金科玉条のように謳います。まあ、あの団体自体が東芝が音頭を取って立ち上げた団体なわけですから、当たり前なんですが。
しかし、はっきり言って「新しい機械やソフト、ブランクディスクを買わなければならない」という消費者の負担はどちらの新方式だろうと同じです。HD DVD は 正当な後継者だからいまお持ちの DVD も再生できますよ、と言いますが、Blu-ray Disc の録画再生機でも同様に DVD もかけられるようにできるわけです。この点も東芝は自分のところだけが DVD がかけられると言わんばかりの発表ばかりで、さらに腹が立つところなのですが。
そういう意味で、次に出る方式が DVD の名を名乗る“正当な”後継者であろうとなかろうと、そんなことは消費者の知ったこっちゃないのです。
それより、DVDという規格に囚われず、「この際“志高く”本当の意味で次世代を堂々と謳える、よりよいものを届けたい」という Blu-ray 側の思想の方が至極真っ当なものだと僕は思います。
ROMディスクは統一可能?
その反面、今回、コンテンツホルダーである映画会社4社が、ある意味現実的な選択をしたのは理解できなくもありません。彼らにとっては、逆にどんな小さなコスト差であっても、何十万枚、何百万枚と製造する段階でのコストはバカにならないと考えるだろうからです。
先の発言と真っ向から対立するようですが、容量が大きく画質がいいからと言ってその映画タイトルが売れるわけではないのですよね。結局は映画の中身次第ですから。また、容量の差による画質差などは、ソフトをデジタル信号化する際のエンコーディング技術・ノウハウである程度埋められる部分でもあり、商売としての“うまみ”には直接結びつかないからです。
実は、HD DVD も Blu-ray Disc も、こと ROM に関しては物理的なフォーマット以外、すなわち信号処理等の部分ではかなり似通ったものになってきています。それは、次世代画像圧縮技術の「H.264/AVC」や Windows Media 9 の圧縮コーデックなど、最新の信号処理技術等をそれぞれ導入していったら、結局同じようなものになってしまったからです。
そのため、これまでも少なからずあった、ROM 規格は HD DVD で統一した方がよいのでは、という意見が増し、それに向けての動きが加速するかもしれません。
発表から考える限り、上記4社が HD DVD での映画タイトルの発売に動き出すのは間違いないところのようです。
彼らの東芝との合意は“排他的”、すなわち HD DVD では出すが、Blu-ray Disc では絶対に出さない、というものではないとされていますが、残念ながら上にも書いたようにビジネスとして考えた場合、あえてコストアップになる他方式でのリリースはあまり考えられないのではないでしょうか。自分たちが一番に推す方式を、それ“のみ”を出すことで後押しする、と考える方が理にかなっていますよね。
実際のところ、容量や画質をよりシビアに追い求めるのは“自己録再”、すなわち、テレビ番組などを自分で録画して保存しておきたい、というニーズにおいてかもしれません。
そう考えると、ことここに至っては、録画規格は Blu-ray Disc、再生規格(ROM)は HD DVD で行くという折衷案が現実的な取りうる妥協策かもしれません。妥協、なんてことは考えたくもないのですが、最終的になにがユーザーに一番メリットがあるか、ということを現実的に考えることは重要でしょう。
ある意味、自己録再で済む(場合の少なくない)録画機能に関しては、2仕様並立でもやむを得ない、と考えることもできます。自分で録ったものを自分で再生する分には、極端な話、ブランクメディアさえ潤沢に供給されればいくつ方式があっても構わないわけですから。
反面、自分で制作・調達できるわけではなく、CD/DVDショップなどで購入する、あるいはレンタルする、という行為の不可欠なパッケージソフト・メディアに関しては、2方式のソフトが並ぶデメリットに関しては言うまでもありません。末端のユーザーのみならず、そうしたショップや流通など、多方面に大きなデメリットを及ぼします。
市場投入済みのBlu-ray Disc
一方、Blu-ray Disc 側の映画会社との提携状況を見ると、その起案社のひとつソニーのグループ企業であるソニー・ピクチャーズ(同上シェア12.7%)とMGM(6.1%)は当然 Blu-ray Disc (のみ)でのリリースが間違いないところです。それ以外にも、Blu-ray Disc Association(BDA)に参加している FOX(11.3%)が、Blu-ray Disc で映画ソフトを発売する可能性が大きいと言えます。
それだけでシェアは30%になるわけで、45%の4社連合?には劣るとはいえ、じゃあ HD DVD に乗り換えましょうということにはメンツにかけても絶対ならないでしょう。
しかも、録画機としてはすでに Blu-ray Disc 側は、ソニー、松下が市販を開始し、シャープも近々発売を予定しているなど、Blu-ray Disc 側が一歩先んじています。
また、PC業界のトップを争うデル、ヒューレット・パッカードなどは Blu-ray Disc 陣営に入っています。当然ですが、ゲーム機業界の雄でもあるソニー(正確にはソニー・コンピュータ・エンターテインメント)は次期プレイステーションのメディアとして、 Blu-ray Disc の採用を決定しています。
そうしたPC関連も含めた記録規格としては Blu-ray Disc が大勢を占めることが明らかないま、再生規格では現実的に先んじてしまった HD DVD に譲歩する姿勢も必要なのではないかと考えるのですが・・・。
ディズニーはどちらへ?
ハリウッドではほかにまだ態度を表明していない大手として、ディズニー(いまやアニメだけでなく、ブエナ・ビスタなど一般映画も多い)があり、シェア17.2%を占めます。このディズニーの行方で大勢が完全に決まるということになるわけですが、さて、ディズニーはいったいどちらにつくのでしょうか? 4社が HD DVD についたいま、ディズニーばかりか、FOX すら雪崩を打つように HD DVD 陣営入り、ということもなくはないかなぁ、と思ったりもします。
その場合、ソニーグループの2社はいったいどうするのでしょうか?
以上、Blu-ray Disc の信奉者に近い僕としてはかなりショックなニュースで、長々と書いてきましたが、なんとかユーザー第一を考えて収まるべきところに収まってほしいものです。
■今回の発表関連
- 米映画4社がHD—DVD陣営に 米国のシェア45% - asahi.com : 経済
- ParamountやWarnerなどHD DVD賛同各社がコメントを発表
- ITmedia ライフスタイル:HD DVD陣営、ハリウッド4社の支持を獲得——次世代ROMメディア統一の可能性も
- 【速報】ハリウッド大手映画スタジオ4社が「HD DVD」規格に支持表明(2004/11/29)
- 【続報】ハリウッドのHD DVD支持表明,「秋ごろから急に本気になった」(2004/11/29)
- 【続報】ハリウッド3社,様子見から一転「HD DVD支持」を明確に表明(2004/11/29)
- HD DVDの強みは「リアリティ」 - 東芝、ハリウッド大手から支持獲得 (MYCOM PC WEB)
- ハリウッド4社がHD DVD規格サポートを表明 - CNET Japan
- Blu-ray Disc AssociationにFOXが参加。HDパッケージ推進へ
■次世代信号処理技術(圧縮技術)
■Sky's The Limit 内エントリ
投稿者 Shin : 2004年11月30日 15:55
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トラックバック時刻: 2009年07月08日 21:03
コメント
こんばんは!私は今朝のニュースでこの記事を知りました。かつてビデオデッキに2種類あったようなことがまた?と言った感じでしょうか。「最終的になにがユーザーに一番メリットがあるか」とありますが、どうなんでしょう?まだ先のことだとは思いますが・・・本と、ユーザーに負担が少ないような方向へ持っていってもらいたいものです。
Shinさんのところへ伺うと、なんだか自分が物知りに近づいた気がしますよ。
投稿者 るびー : 2004年11月30日 21:35
あははは、ありがとうございます。
いえ、オーディオビジュアルは中学生くらいから続いている趣味のひとつなもので。実は大学出て就職したのがオーディオメーカーでレーザーディスクでも有名だった某P社(<バレバレですね)だったくらいです。
だからこの手の知識は少しはあるので、ちょっとふつうの人よりはニュースを深読みできるかもしれませんね。
でもまあ、ネットってまさにそういうもんじゃないですか? 自分が知らないことやそのままでは理解できないものっていっぱいあって、一方誰かがそれを知ってて、かみ砕いて説明してくれてたりする、と。
僕もいろんなところでそういう人のお世話になってるわけです。
さて、
>かつてビデオデッキに2種類あったようなことがまた?と言った感じでしょうか。
という件ですが、半分正しく半分正しくない(失礼)って感じです。
本文にも書きましたが、ビデオデッキと違って「再生専用」のディスクの重要度が比較的高いのが今回の騒動の“肝”なわけです。
自己録再だけ考えたら「まあ、しょうがね〜な〜」で済ませられても(いや、それでも済まないですけど)、パッケージソフトが2種類出るのは非常にまずい状態なんですよね。
HD DVD のソフトが出ることが決定的となってしまったいま(それがポシャることが一番よかったのですが)、逆に再生規格は HD DVD に一本化する、それが一番負担の少ない道であるような気が現時点ではしています。再生規格だって HD DVD よりはるかに余裕のある Blu-ray Disc ROM で行くのが最善だったんですけどね。
投稿者 Shin : 2004年12月01日 00:31
トラバどうもです。
読ませて頂きましたが、かなりの部分で激しく同意します^^」
とにかく容量は私も大事だと認識しています。
今回新たにトラバさせてもらった私のネタでは、ブルーレイにHD DVD再生機能を付けてしまうのが、ユーザーにとっては一番の大正解と思ってます。まぁ単純には行かないと思いますが・・・。
ちなみに、当時は私もベータのユーザーでした。後にVHSを購入したとき、ベータの素晴らしさを再認識した次第です。
出来れば今回は素晴らしい方が残ってもらいたいのですが・・・
投稿者 エディー : 2004年12月01日 07:40
コメントありがとうございます>エディーさん
それ(ブルーレイにHD DVD再生機能を付けてしまう)が一番いいのかもしれないですね。ただ、やはりパッケージソフトが2種類出てしまうというのが・・・。
あ、でも「あるタイトルはどっちかでしか出ない」のであれば上記のようなプレーヤーを持っていれば問題ない訳か! なにも考えずに買えばいいんですもんね。
HD DVD 側が Blu-ray Disc の機能をつけないのであれば、逆に Blu-ray Disc 側としては商品力アップにつながるから一石二鳥かもしれません。
僕はベータはハイバンド機からという“おくて”なんですが、HF900→HF3000→EDV-9000 (2台!)とハイエンド機種を渡り歩き、その素晴らしさを堪能しました。
その後の安っぽい VHS 機を見るにつけ(画質には満足している日立の D-VHS も作りは安っぽい)、業務用機につながるベータハイエンド機の使い勝手の良さはいまだに感じ入るものがあります。
実はそのときの編集機能のよさをかなり受け継いでいるのが、いまの東芝 RD シリーズだと思っているんですが。
#というか他社の(ソニーも含めて)編集機能がヘボ過ぎるだけという話も(^^;;
東芝が Blu-ray Disc をやらないのはそういう意味で返す返すも残念なわけです。ほんとに!
投稿者 Shin : 2004年12月01日 13:01
自分は映画とかあんまり見ないんで、とりあえず静観ですねー。
(DVDもかーなーり経ってから、買ったし。)
ていうか、これって家庭用ゲーム機の状況と似てますね。
ちなみにドリームキャストもPS2もXBOXも買ってしまった自分は
ある意味負け組ですが(^^;
投稿者 arb-morima : 2004年12月01日 16:32
実は、ゲーム機のことにはどう触れようかな?と考えながら、考えがまとまらないので触れないようにして(笑)、この一文を書き上げました。
う〜ん、たしかに似ていると言えば似てますね。
ただ、arb-morima さんのコメントを拝見してふと気がついたんですが、ゲーム機ってそれぞれ勝手な(笑)メディアを採用しても成り立つのは、メディアもさることながらハード自体が一種類なんですよね(ソフトをかける機械それ自体は基本的には一種類しかない)。
プレステの機械がソニーだけじゃなく、任天堂から出るということは決してない。
ハードとソフトは別々には売ってはいますが、実は一体のものなわけですから。
その点が違うと言えば言えるような気がしています。
あ、でもやっぱり同じかなぁ? わからなくなってきた(^_^;;
投稿者 Shin : 2004年12月02日 23:35
トラバありがとう
うちではベータのSL-2100が現役です。
なんとかはやく
規格を統一して欲しいですね。
気持ちとしては容量の多いブルーレイですが
どうなることやら。
投稿者 kiichi : 2004年12月04日 14:35
おぉ! SL-2100 ですか! あれが現役なんてすごいです。
知ってる僕もすごいです(ウソ(^_^;;)
とはいえ、うちのもいつ故障するかわからないので、ダビングしておきたいなぁと思うものの、あまりの本数に躊躇しますね。
見られなくなったら意味ないもんなぁ。
投稿者 Shin : 2004年12月08日 01:53
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投稿者 kgozytfc mdoiu : 2006年08月05日 00:04
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